令和8年3月13日(金)第55回 卒業証書授与式
式辞 抜粋・・・
「卒業、おめでとうございます。」
皆さんが手にした卒業証書には、仲間とともに過ごした様々な思いが刻み込まれており、かけがえのない三年間の重みを感じていることと思います。
みなさんは、仲間を大切にする、さわやかで明るい笑顔の似合う学年でした。
体育祭の大ムカデで、声の限り仲間を呼び合い、一つになって前進する姿、音楽会練習で校舎内に響き渡る堂々たる歌声、面接練習では「個性豊かで、ふざけている人も多いクラスですけど、そんな自分のクラスが大好きです」と、みんなが満面の笑みで答えていました。そして、三送会では余すところなく、学年の良さを発揮し、東中学校の伝統のバトンを在校生に渡してくれました。
その姿は常に後輩の目標であり、憧れであり続けました。三年間の生活の中には、悩んだり、辛かったり、叱られたりしたこともあったでしょう。しかし、そのたびに成長し、義務教育全課程を修了し、巣立つ日となりました。
みなさんが今日を迎えるまでの15年は未曾有の脅威に立ち向かう予測もしなかった歳月でした。
皆さんが生まれて間もない頃、日本は大きな試練に直面しました。ーーーーー東日本大震災 です。
多くの人が深い悲しみと困難の中にありました。しかし、その中で私たちは、人と人とが支え合う姿を数多く見てきました。見知らぬ人同士が励まし合い、食べ物や毛布を分け合い、互いを思いやる姿です。人のやさしさや、つながりの力が、どれほど大きなものであるかを学び、復興への力にしてきました。
そして皆さんの学校生活もまた、大きな出来事とともにありました。世界中に広がった 新型コロナウイルス感染症。やっと小学校になれたばかりだった皆さんの学校生活は一変してしまいました。
マスクをつけての生活、行事の制限、友だちと距離を取る日々。楽しみにしていたことが思うようにできず、悔しい思いをしたこともあったでしょう。
しかし、その経験の中で、皆さんはある大切なことに気づいたのではないでしょうか。
それは、「当たり前」の有難さです。
友だちと顔を合わせて笑い合えること。
教室で一緒に学べること。
体育祭や音楽会で、みんなと力を合わせること。
これまで当たり前だと思っていたことが、実は決して当たり前ではなかった。ささやかすぎる毎日の中にかけがえのない喜びの瞬間があったことをもう一度考え直す機会となりました。
「いのちの歌」にあるように
あなたとして生まれてきたこと
育ててもらえたこと
仲間や先生方に出会えたこと
笑いあったことは
「当たり前」ではなく奇跡であることに気づかなくてはいけませんし、巡り合ったこの奇跡に感謝しなくてはなりません。皆さんは、震災の記憶が残る時代に生まれ、そしてコロナ禍という経験を通して、「人のやさしさ」や「つながりの大切さ」、そして「当たり前に感謝する心」を学んで、しなやかに生きられる力をつけて今日を迎えることができました。
これは、学年主任の渡辺先生をはじめ、あなたたちに関わってきたたくさんの先生方が、皆さんに大切にしてほしいと伝えてきたことです。
これから皆さんは、それぞれ、新しい道へ進んでいきます。
十五年間、大切に大切に育ててもらった命を自分の選んだ道で、輝かせてください。自分のペースで、でも着実に前へ進んでほしいと願っています。その中で、泣きたい日も、絶望に嘆く日もあるでしょう。そんなときこそ「人は支え合うことで強くなれる」ということを思い出してください。
遠く離れても、母校 桶川東中学校から巣立っていくあなたたちの幸せを祈っています。
令和八年三月十三日
桶川市立桶川東中学校長 吉田 由紀恵